京都での医療法人設立【注意点とポイント】

医療法人設立認可申請について(京都府)

京都府で新しく医療法人を立ち上げる場合、いつでも申請できるわけではなく、「1月・4月・7月・10月」の年4回しか受付(エントリー)のチャンスがありません。

たとえば1月にエントリーすると、2ヶ月後の3月下旬には認可書が発行されます。スケジュールはかなりタイトなので、書類の修正ややり直しが多いと、自動的に次の期(4月エントリー)に回されてしまうこともあります。

スケジュールに余裕を持って、確実に行動していきましょう!

医療法人化のスケジュール(京都府)

各期にエントリーしてから、実際に新しいクリニックを開設して診療をスタートするまでは、約4ヶ月〜5ヶ月のサイクルで進んでいきます。

必要な手続き
(1)エントリー 1月下旬 4月下旬 7月下旬 10月下旬
(2)1回目ヒアリング
(3)2回目ヒアリング
2月上旬
2月中旬
5月上旬
5月中旬
8月上旬
8月中旬
11月上旬
11月中旬
(4)本申請(申請書提出)
(5)医療審議会に諮問
(6)認可書の発行
3月1日
3月中旬
3月下旬
6月1日
6月中旬
6月下旬
9月1日
9月中旬
9月下旬
12月1日
12月中旬
12月下旬
(7)設立設立登記 4月初旬 7月初旬 10月初旬 1月初旬
※認可書が発行された後、2週間以内に設立登記を行います。
(8)診療所開設許可申請
(9)保険医療機関指定申請
5月1日
診療開始
8月1日
診療開始
11月1日
診療開始
2月1日
診療開始

設立から開院までの流れ

(1)エントリー

まずは「概要書」と「ヒアリング日程調整票」という書類を提出し、京都府にエントリーします。

【概要書をつくるときの重要チェックポイント】

  • 法人の名前のルール
    原則として「医療法人(社団・財団)〇〇会」や「医療法人(社団・財団)△△クリニック」という形にします。
    このとき、「△△」の部分には、原則として理事長になる先生のお名前を入れることになっています。
    さらに独自ルールとして、医療法人成りの際のもともとの診療所名の変更が認められていません。非常に意味不明であるとは思います。
  • メンバーのルール
    運営を引っ張る役員として、理事3人以上、監事1人以上が必要です。
    また、別の会社(MS法人など)の役員をされている方は、医療法人の役員になれない場合があるので注意してくださいね。
  • お金(元手)のルール
    これから用意する「現金や預金」などの合計が、これからの事業計画(収支予算)で必要になる「クリニックの運営費用 + 借入金の返済額」の丸々2ヶ月分を上回っていなければなりません。
  • 財産のルール
    診療に使う医療機器などの資産は、法人への「基金拠出(あとで法人から返してもらう財産)」か「無償譲渡(あげる財産)」のどちらかにする必要があります。
  • 借入金のルール
    法人に引き継がせることができる借入金は、これから購入する医療機器や内装など「法人の財産になるもの」に限られます。
    運転資金のための借入れを引き継がせることはできません。

(2)1回目ヒアリング

エントリーが終わると、京都府の担当者さんと1回目の面談(ヒアリング)があります。ここでは、法人の名前、新しくつくる施設、役員のメンバー、用意する資産に問題がないか確認が行われます。

【1回目ヒアリングまでに準備する書類】

新設の場合は、これからの「予定」や「契約見込み」の書類を中心に揃えていきます。

  1. 予算の根拠資料
    これからの収支予算(事業計画)の計算根拠になる資料。
  2. 減価償却の予定明細書
    新しく購入する設備などが、設立予定日にいくらの価値になっているか(未償却残高)がわかる資料。
  3. 土地・建物の賃貸借の資料
    クリニックを開くテナントなどの賃貸借契約書(写し)と、その土地・建物の不動産登記簿謄本。
    また、所有者が先生ご本人やご親族、関連会社(MS法人など)の場合は、家賃が適正かどうかを証明する資料も必要です。
  4. 駐車場の契約資料
    患者さん用などの駐車場を借りる場合は、その賃貸借契約書(写し)。
  5. 借入れ・リースの資料
    購入資金の借入れがある場合は、金銭消費貸借契約書や返済計画書(設立時点でいくら残るか分かるもの)。
    リースを組む予定がある場合は、リース契約書(写し)や支払い計画書。
  6. 図面
    新しくつくる診療所の平面図(写し)。
  7. 関連会社の資料
    関係するMS法人などがある場合は、その会社の商業登記簿謄本。
  8. 予算書
    これからの経営計画をまとめた収支予算内訳明細書。

(3)2回目ヒアリング

2回目の面談では、申請書の書類がほぼ完成している状態(あとは判子を押すだけという状態)で内容の最終確認をします。

(4)本申請

ヒアリングでOKが出たら、すべての添付書類を揃え、しっかり押印も済ませた申請書類一式を京都府へ正式に提出します。

添付書類の印鑑証明書や登記簿謄本、銀行残高証明などはすべて原本での提出が必要となります。

(5)京都医療審議会への諮問

提出した書類をもとに、京都府が「京都府医療審議会」という専門の会議に意見を聞きます。

ここでは、「新しい医療法人が、地域の医療体制にとって本当にプラスになるか」「すぐに潰れたりせず、ずっと安定して運営していけるか」が厳しく審議されます。

(6)認可書の交付

審議会で認められ、知事の認可が決まると、待ちに待った「医療法人設立認可証」が発行されます。

順調にいけば、本申請を行った月の月末に手に入ります。

この認可証は、このあとの登記や保健所の手続きで「原本を見せてください」と言われる、超重要な書類です。

(7)設立登記申請(法務局)

認可書をもらったら、2週間以内に法務局へ行って「設立登記の申請」を行います。

この登記申請を行った日が、医療法人の「正式な誕生日(設立日)」になります!

登記が無事に終わったら、京都府へ「登記完了届」を出します。

(8)保健所での手続き(開設許可 & 開設届)

法人の場合は、個人開業(届出だけでOK)とは違い、「開設する前に、まず保健所の許可をもらう」必要があります。

  1. 診療所開設許可申請(事前申請)
    • 申請時期
      登記完了後、すぐ(診療開始月の前月の上旬まで)
    • 内容
      新しくつくるクリニックの構造や設備(待合室の広さ、診察室の換気、X線室の防護など)が、医療法の基準をクリアしているかチェックを受けるための申請です。
    • 持ち込み検査(施設検査)
      申請後、保健所の担当者が実際にクリニックへ足を運び、図面通りに完成しているか、衛生面や安全面に問題がないかを現地で厳しく検査します。
  2. 診療所開設届(事後届出)
    1. 申請時期
      保健所の検査をパスし、無事に「開設許可書」が交付された後(基本は診療開始日と同日)
    2. 内容
      無事に許可が下りて、正式にクリニックを開設したことを報告する届出です。ここで、実際に働く医師の免許証(原本)や履歴書などを提出します。

(9)近畿厚生局(京都事務所)での手続き(保険医療機関指定申請)

保健所の許可を得て、晴れて「クリニック」としてはオープンできますが、そのままでは「自由診療(10割負担)」しかできません。患者さんが3割負担で受診できるようにするために、厚生局へ「保険医療機関」の指定申請を行います。

  1. 指定申請の提出
    • 申請時期
      毎月の締め切り日(京都府の場合は、原則として診療開始月の前月10日前後。※土日の関係で前後します)まで。
    • 注意点
      この締め切り日までに、保健所から「開設許可」をもらった状態で、厚生局へ書類を提出しなければなりません。そのため、スケジュールが非常にタイトになります。

各種許認可申請について

医療法人設立以外のその他の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。

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